DJI赤外線R-JPEGをTIFFに変換する方法|マッピング用 float32 °C TIFF(2026年版)
DJIの赤外線R-JPEGを、Pix4Dmapper / Metashape / QGIS / ArcGIS で使える「単チャンネル float32 °C TIFF」に変換する方法。単なる『TIFFで保存』ではなぜ温度が失われるのか、温度精度とGPSをどう保持するかを解説します。

DJIの赤外線データをマッピングやGISツール(Pix4Dmapper / Agisoft Metashape / QGIS / ArcGIS)で扱うとき、温度を渡すための現実的な形式は 摂氏値を持つ単チャンネルの float32 TIFF であり、DJIドローンが出力する .JPG ではありません。DJIのR-JPEGは独自構造の放射温度JPEGで、拡張子を変えたり画像ビューアで「TIFFとして保存」しても、温度の入っていない8bitの絵になるだけです。
この記事では、必要なTIFFが具体的にどんな形式なのか、なぜDJIファイルがそれに当たらないのか、どう生成するのか、そして変換後のTIFFが下流ツールでどう扱えるのか(温度精度とジオリファレンス用GPSの保持を含む)を解説します。
この記事の要点
- 目標は float32 TIFF。1チャンネル・32bit浮動小数点で、各ピクセル値がそのまま摂氏温度。これが Pix4Dmapper / Metashape / QGIS / ArcGIS が温度として読める形式です。
- DJIのR-JPEGはそれではありません。JPEGコンテナにDJI独自の赤外線ブロックが入ったもので、ビューアの「TIFFで保存」は8bit RGBの見た目画像になり、温度は失われます。
- 「書き出し」ではなく「変換」が必要。CRITIR Convert は公式 DJI Thermal SDK を使ってR-JPEGを float32 °C TIFF に再エンコードし、ジオリファレンスに使うGPS・撮影日時も引き継ぎます。
- 精度:float32 TIFF は DJI Thermal SDK がデコードした℃値をそのまま書き出すため、変換による温度誤差はありません(往復誤差 0.0000℃ = ビット完全一致)。変換のたびに元のDJIファイルと自動で突き合わせ検証します。
- オルソ画像生成そのものは DJI赤外線画像でMetashapeオルソを作るガイド を、マッピングではなくFLIR Toolsで開きたい場合は DJIサーマル画像をFLIR Toolsで開く方法 を参照してください。
なぜ DJI の R-JPEG は使えるTIFFではないのか
DJIの赤外線画像は、通常の可視光画像にDJI独自の赤外線データブロックを足したJPEG(.JPG)です。これがマッピング入力として使えない理由は2つあります。
- TIFFではなくJPEGであり、赤外線データが独自構造で格納されているため、マッピングソフトが解釈できない
- 温度がそのまま読めるピクセル値ではなく符号化されている。取り出すにはDJI公式SDKと、画像ごとの撮影パラメータ(放射率・反射温度・湿度・撮影距離)が必要
つまりコンテナだけの問題ではありません。写真編集ソフトでファイルをTIFFに変換しても、8bitの可視画像をTIFFで包み直すだけです。見た目はサーマルっぽくても(カラー化プレビューを書き出した場合)、ピクセルは0〜255の明るさ値であって温度ではなく、どのマッピング/GISツールも計測できません。
本当に必要なTIFFはどんな形式か
マッピング/GISのパイプラインが期待するのは 放射温度ラスター:1バンド・32bit浮動小数点・ピクセル値=温度、です。
| 項目 | 誤(「TIFFで保存」) | 正(放射温度TIFF) |
|---|---|---|
| チャンネル数 | 3(RGB) | 1(単バンド) |
| ビット深度 | 8bit整数 | 32bit浮動小数点 |
| ピクセル値 | 明るさ 0〜255 | 摂氏温度 |
| 計測に使えるか | 不可 | 可 |
| ジオリファレンス用GPS | 失われがち | 保持 |
float32 °C TIFFなら、ピクセル値 36.7 は文字どおり36.7℃を意味します。これが Pix4Dmapper / Metashape で計測可能なサーマルオルソを作り、QGIS / ArcGIS で温度によるスタイル付け・解析を可能にします。
DJI赤外線R-JPEGをTIFFに変換する手順
CRITIR Convert は公式 DJI Thermal SDK を使い、R-JPEGを単チャンネル float32 °C TIFF に再エンコードします。温度のデコードはDJI自身のパイプラインと一致します。
- 放射温度ファイルを用意する。DJIの各撮影は、広角/ズームの可視画像と放射温度の赤外線ファイル(多くは
*_T.JPG。サフィックスは機種・ファームウェアにより異なる場合があります)のペアです。放射温度を持つのは赤外線側のファイルです。 - フォルダを CRITIR Convert にドロップし、出力形式に TIFF(float32 °C) を選び、出力先を指定して開始します。元ファイルは一切変更されず、変換後のコピーがサブフォルダ構造を保ったまま別フォルダに書き出されます。枚数上限はないので、フライト1回分を一度に変換できます。
- GPS・撮影日時・カメラ/ドローン機種・ジンバル角度を継承します。これが後段でマッピングソフトがジオリファレンスし整列するための情報になります。

Pix4Dmapper / Metashape / QGIS / ArcGIS での使い方
- Pix4Dmapper — float32 TIFFをサーマルプロジェクトとして追加。各ファイルのGPSが初期整列を駆動し、オルソ画像は温度をピクセル値として保持します。TIFFが温度を持つのは float32 °C の場合だけで、通常のグレースケールTIFFには温度が入りません。放射温度変換が必要なのはこのためです。
- Agisoft Metashape — TIFFを追加し、Raster Transform を設定して単画像とオルソが実際の℃で表示されるようにしてからオルソを生成します。詳しい手順は DJI赤外線画像でMetashapeオルソを作るガイド にまとめています。
- QGIS / ArcGIS — float32 TIFF(または書き出したオルソGeoTIFF)を直接開けます。単バンドに℃が入っているため、カラーランプの適用、値の読み取り、温度によるラスター解析が行えます。

単画像はメタデータにGPSを持ち、GeoTIFF(ジオリファレンス情報を埋め込んだTIFF)は、マッピングツールが完成オルソを書き出したときに得られます。
変換後のTIFFは温度を正しく保持するのか
float32 TIFF では、変換による温度誤差はありません。CRITIR Convert は公式 DJI Thermal SDK でデコードした℃値をそのまま float32 TIFF に書き込むため、結果は**ビット完全一致(往復誤差 0.0000℃)**です。撮影時パラメータ(放射率・反射温度・大気温度・湿度・撮影距離)はデコード時に適用され、捨てられません。
(約0.01℃の再エンコード誤差は、FLIRの16bit raw形式に量子化する FLIR互換R-JPEG の場合のみで、float32 TIFF には当てはまりません。)
さらに、変換後の出力を元のDJIファイルと突き合わせる自動検証機能を備えており、往復誤差を数値として確認できます(TIFFでは0.0000℃)。

TIFFとFLIR互換R-JPEG、どちらを書き出すべきか
用途次第で、CRITIR Convert は一度の処理で両方を同時出力できます。
- float32 °C TIFF → マッピング/GIS用:Pix4Dmapper / Metashape / QGIS / ArcGIS
- FLIR互換R-JPEG → FLIR Tools / FLIR Thermal Studio での1枚ごとの解析用。DJIサーマル画像をFLIR Toolsで開く方法 を参照
- ツールを比較検討するなら、CRITIR Convert と ThermoConverter の比較記事 も参考になります
よくある質問
- DJI赤外線をPix4DmapperやMetashapeで使うには、どんなTIFF形式が必要ですか?
- 単チャンネル(1バンド)・32bit浮動小数点で、各ピクセル値が摂氏温度であるTIFFです。これらのツールが温度として読む放射温度ラスターであり、8bit RGBのTIFFでは計測に使えません。
- DJIの.JPGを開いて「TIFFで保存」すればいいのでは?
- いいえ。写真編集ソフトでTIFF保存すると、ピクセルが明るさ値の8bit可視/カラー化画像になり、温度ではありません。放射温度データは DJI Thermal SDK でデコードして float32 °C 値として書き出す必要があり、それを行うのが CRITIR Convert です。
- 変換後のTIFFはGPSを保持し、ジオリファレンスできますか?
- はい。CRITIR Convert はGPS・撮影日時・カメラ/ドローン機種・ジンバル角度を継承します。このメタデータが、Pix4DmapperやMetashapeが画像を整列・ジオリファレンスしてオルソ化するための情報になります。
- TIFFの温度精度はどの程度ですか?
- TIFF変換自体による誤差はありません。float32 TIFF は公式 DJI Thermal SDK がデコードした℃値をそのまま格納するため、往復誤差はビット完全一致の0.0000℃です。変換のたびに元のDJIファイルと自動で突き合わせ検証されます。なお約0.01℃の再エンコード誤差は FLIR互換R-JPEG の場合のみで、TIFFには当てはまりません。
- TIFFはQGISやArcGISで開けますか?
- はい。単チャンネルの float32 TIFF(または書き出したオルソGeoTIFF)を直接開けます。バンドに℃が入っているため、カラーランプの適用・値の読み取り・温度によるラスター解析が可能です。
- 同じファイルからTIFFとFLIR互換R-JPEGの両方を得られますか?
- はい。CRITIR Convert は float32 TIFF と FLIR互換R-JPEG を一度の処理で同時出力できるので、下流のツールを1つに縛られることはありません。
ご自身のフライトで試してみませんか? CRITIR Convert の製品ページでは7日間の無料トライアルをご用意しています。変換代行サービスにお送りいただき、float32 TIFFを受け取ることも可能です。
